今年になってアマゾンのaudibleで「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(通称:俺ガイル)のイッキ読みというかイッキ聞きをしたのですが、
大変楽しんでしまったので、感想とかを書いておきます。
一応ネタバレ注意です。
どんな話?
大まかに分けると3部構成。
アニメの分かれ方で大体合ってると思う。
シーズン1は、実は奉仕部のメンバーは部室で集まる前から因縁があった?という話。
シーズン2は、今までの解決方法だとダメなんじゃないか?と比企谷くんが気が付くまでの話。
シーズン3は、奉仕部解散?な話。
感想
シーズン1
ラノベの6巻くらいまで、文化祭の話までだったかと記憶していますが、
かなり前にアニメで見ていた部分で、そういえばこんな話だったなと思いながら聴いていました。
主役の比企谷くんが「自分が悪者になる」という方法で、引き受けた悩みを次々と解決していくのですが、
この辺りは(というかもしかしたら最終巻まで)常に心が痛かったです。
「今回はどんな悲しい手段で問題を解決するのか?」という、歪んだ楽しみ方をしていた気がしました。
このシーズン1ですが、悩み解決という本筋とは別で、裏で進んでいた話として、
実は奉仕部の3人は部室で出会う前、
入学式の頃から既に出会っていたという話が出てきます。
実は比企谷くんがクラスに馴染めなかった理由というのが、
初登校の日に散歩をしていた犬を車から助け、代わりに轢かれて入院をし、高校生活に出遅れたから
というもので、
その時の散歩をしていたのが由比ヶ浜家の犬、車の方が雪ノ下家の車という、
比企谷くんだけが知らなかった事実が判明します。
このことを知って、最近ガハマさんが自分に好意的に接してくれるのは、
犬を助けたことによって事故にあってしまい、学校に馴染めなくなったからで、それに負い目を感じているからだ、
と考えた比企谷くんは、
「自分が助けたかったから助けた。誰が相手だったとしても助けていた。もう十分感謝はしてもらったし、学校に馴染めてないのは入院していなくても同じ。フラットな関係に戻そう。」
と発言し、ギスギスした雰囲気を取っ払った。
というのがシーズン1だったかと思います。
これ、テレビで見ていた当時はあまりピンとこなかったのですが、
改めて考えてみると「北斗の拳で見たやーつ」と思いました。
困っていたから助けただけのケンシロウと、助けられてケンシロウが好きかもしれないと思ったリン、と置き換えたところ、
その感情は好きとは違う、というのがスッと入って来た気がします。
読んでてよかった北斗の拳。
あと、もし俺ガイルがSAOみたいなエ口漫画時空だったら色々危なかったぞ!と少し思いました。
シーズン2
シーズン2は、修学旅行と生徒会選挙。
ラノベだと11巻まで。
生徒会選挙の話は、嫌がらせで勝手に生徒会長に推薦されてしまったけど、生徒会長になりたくない「一色いろは」こと「いろはす」が奉仕部に助けを求めに来ます。
比企谷くんは相変わらず自己犠牲で悩みを解決しようとするのですが、
今回の生徒会長選挙においてその方法を使った場合、代わりに会長をやれそうな雪ノ下さんが生徒会長になり奉仕部は実質解散、という危機に陥ります。
そこで、「生徒会長になりたくないならなりたくすればいいじゃん!」という、
誰も傷付かない案を思い付き、比企谷くん覚醒!からの「私って比企谷くんがいないと何も解決できない…本当にダメダメ…」と、雪ノ下さん闇落ち!という、
この作品ずっと心が痛いけど、いつハッピーになるんだよ!と思わされました。
シーズン3
独り立ちしたい、比企谷くん離れしたい雪ノ下さん、自分の気持ちに正直になれない比企谷くん、みんな欲しい由比ヶ浜さん
という、もうシーズン1の頃の面影がない方たちがお送りするシーズン3。
「卒業式にプロムする高校って日本にあるのか?」とか、「好きっていいなよ。」とか色々あったのですが、
結末は始めから決めてたんだろうなというのが伝わる凄いキレイな終わり方で、
良い作品だったなと思いました。
見解
感想と言いつつ、実はこっちが今回の本題なのですが、他の人の感想を見ていて
「比企谷くんはどっちが好きなのか曖昧だし、結局元通りの奉仕部に戻って終わってるじゃん」
みたいなコメントがあって気になったので、自分の見解を書いておきます。
どっちが好きかの答えを出していない
まずどっちが好きかの答えを出していない、については、ぶっちゃけちゃんと出してます。
アニメだとシーズン3の11話のところ、ガハマさんに、
「その内素直に思ってることを言える時が来ると思う、でもお前はそれを待たなくていい」
みたいなことを言っていますが、コレです。
コレ、
「たとえフラレても雪ノ下一筋で行きます、他の女にはなびきません!」
という宣言です。
しかもこの後、雪ノ下さんに
「あなたのナイトになります。要らないって言っても気にせず助けます」みたいな、
ともすればストーカーみたいな発言もしてます。
面倒な奴らの面倒なやり取りをちゃんと読み解こうぜ、と思いました。
奉仕部の関係が元通りなのか
ラスト、本当に元通りなのかというところですが、
個人的な見解を書いておくと、
元通りではないです。
ガハマさんの最後の依頼、
「私の好きな人に彼女みたいな人が居るんだけど、それが私の一番大事な友達で…でもこれからもずっと仲良くしたい」
これを紐解くと、
「あなた達2人はお似合いです。ところで私も比企谷くんが好きなのですが、それとは別で、この奉仕部3人の関係も同じくらい好きです。私は彼を横取りするかもしれない危険人物ですが、これからも仲良くしてもらえますか?」
ということだと思います。
つまり、
「今回は負けました、でも諦めてません。なのでずっと諦めていられるようお似合いの2人でいてね」ってことと、
「これからも仲良くして欲しいです」という2点。
シーズン2修学旅行編で「もし仲間内で付き合ったとしたら今の関係性が壊れてしまう」という内容があった後にこれなので、
「自分が思っていることをちゃんと伝えることによって不安定な関係性が安定するというパターンもあるはずだよ」という
作者からのメッセージなんじゃないかなと思いました。
比企谷くん、ラストでヤレヤレしやがって!みたいなコメントも見ましたが、
「これからもずっと心変わりしないよう気を引き締めないとな!」みたいなヤレヤレなんじゃないかなと自分は思いました。
まあ、自分はどちらかというと理系なので、登場人物の心情とか聞かれても合ってるのかなんてわからんのですが。
まとめ
いつも以上に書きたかったことが書けてるかわからない今回だったのですが、
簡潔にまとめると、
正直面白かった。最近のアニメとか漫画とかラノベとかの作品と比べて、相当ピュアピュアでびっくりした。これだけです。
シーズン3のアニメの感想も書いておくと、テーブルとか携帯とか全体的になんかサイズがおかしかったり、
かなり駆け足な感じだったり等、
色々ツッコミどころがあるのですが、
キャラの作画は安定していたり、細かいけど重要な部分等はしっかり押さえているのかな、とは思いました。
サウナで帰る時に、ちゃっかり手を差し出してるところとか、
先生とダンスをしていて、躓いた際に先生の手を取らずに自分の足で立ち上がってから握手するところとか。
全体的に2000年くらいのギャルゲー味を感じて面白い作品でした。
(あまり知らんけど、2000年くらいはたしかこんな感じじゃなかった?)
最近新しく出ているみたいな「俺ガイル結」の方は、ノベルゲーの別ルート的な雰囲気を感じたので、いつか機会があったら楽しむかもしれないかなといった感じでした。
(ギャルゲー等の別キャラルートという概念が、自分は気持ちの切り替えが出来ないタイプなので、あまり得意ではない)
別ルートも悪くないけど、完が終了してから10年後くらいにどうなってるのかが見たかったなというのが本音かもしれません。
エホゲー時空なら間違いなく3人の関係はドロドロになってそうですが、
ピュアピュアな俺ガイル時空なら普通に大丈夫そうな気がします。
こういう作品のラストは、もう一夫多妻OKの国に移住するエンドで良いよ、許すよ。
と、
毎回思うモリオでした。
おまけ
書くところがなかったので最後に。
初めから最後までオーディブルで通して聴いて、さらにアニメのシーズン3を一気見した後に、シーズン1の1話だけ無料だったからせっかくだからで見て、そこで初めて気が付いたのですが、
ガハマさんが来た時の最初の依頼の「手作りクッキーを食べて欲しい人」って比企谷くんで
「(思いがこもったプレゼントなら)ヒッキーも(心が)揺れるの?」にはそういう意味が込められていたのか!と思ったりしました。
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