はじめに
感想とは何なのか?という根本的な疑問が出てきてしまったので、感想かはわかりませんが、
とりあえず、デスストランディングを遊んでみて、何が良かったのかを今まで通りのノリで書きます。
ネタバレ注意。
未プレイの人は、別にこのページの感想を読んでも問題ないとは思いますが、未知との遭遇という面白さを損なうおそれがあるので、気を付けてください。
今回実は少しぼかしてはいますが、ストーリーに関わるわりと重要なネタバレをしているので、
ここを読むよりも、もうちょっとぼんやりしたネタバレ加減の、大体合ってる内容のゲーム紹介をしている、前回書いた方のページをお勧めしておきます。
それと、ネタバレ注意とは書きつつも、クリアしてから少し置いてから書き始めているので、
内容に誤りがあるかもしれません。
それに加えて、難解なストーリーだったため理解が追いつかなかったという可能性もあるので、
大目に見てくれると助かります。
良かったところ
ストーリー部分
主人公のサムが良かった
人に肌を触られると、その場所にアザが出来る「接触恐怖症」みたいな病気の症状のあるサム。
そんなサムが、育ての親であるブリジット大統領の、
「カイラル通信を娘のアメリのところまで繋げてアメリカを復活させて」
という遺言のような依頼を受けて、
アメリカを繋ぐために配達をしていくのですが、
配達をしていく中で少しずつサムの人柄が出ていくというか、
「こいつ、さては人付き合いが苦手なだけで、根は良いおじさんだな?」
というのが見えてくるのが、すごく良かったです。
というか、
「サム、さては憧れのお姉ちゃん(アメリ)を助けたかっただけだな!?」
みたいなものも感じて、
一気に親近感が湧いたというかそんな感じでした。
キャスティングが良かった
ぶっちゃけてしまうと、メインどころは小島監督作品のいつものメンバーなのですが、
今回、登場キャラが中の人にちょっと寄せてきてる感じがあったり、兼ね役なのにもきちんと意味があったりで、
なんか良いなと思いました。
具体的に言うと、アメリが歳をとらない上にサムにとってのお姉ちゃんという、
性格はともかくとして、明らかに井上喜久子さんを意識している設定のキャラで、
しかもストーリー的に全然不自然な感じじゃなかったのが良かったというのと、
ママーとロックネもちゃんと同じ声な理由があって、
しかもロックネ初登場時に、ゲーム内でサムも「この声はママー?」みたいな、
自分と同じ驚き方をするというのも、大変良かったなと思います。
「こういうのが欲しいんだよ、こういうのが。」
と正直思いました。
ハートマンとかデッドマンとかの他のメインキャラや、何なら配達先の人達もしっかりと吹き替えが合っていて、
最後まで違和感なく楽しめました。
唯一違和感のあったカイラルアーティストの娘も「あえてああしてたのね」という言い訳のようなものもあったりで、まあ良いんじゃないかなと思います。
(というか、どうやらほとんどのキャラにモデルの人が居て、日本語版のカイラルアーティストの娘は、モデルの人が演じているらしいので、本人以上に本人って何だよ!って話になってしまいます。)
登場キャラがみんな良かった
ゲームをやっていて「このキャラ嫌いだなー」みたいなキャラが
最後まで居なかったのが良かったなと思いました。
基本的に自分は、根っからの悪人みたいなキャラが得意ではないのですが、
そこまでの極悪人はおらず、終始憎めないキャラしか居なかったなという印象でした。
アメリも、境遇を踏まえるとしょうがないというか、
自分ではもう決められないからどちらでも選べるようにしてサムに決めてもらおうっていう、
「こういう人、たまに居るよねー」と思ったので、
そこまで嫌だなとは思いませんでした。
むしろ勝手に決定せずに、サムに選択権を譲ってくれただけ優しいまであるなと思います。
「悲惨な出来事、大体大統領のせいじゃないか!」という部分もなくはないですが、
絶滅の危機を止めるために必死だったと考えると、
非人道的なこともしゃーなしというやつなのではないかと。
(こんなことを書いてますが、ラストで『銃を当てないが正解じゃないのかよ!どこ撃ったら良いんだよ!』となって、『みんなのために成仏してくれ…』と思って、Take 2は頭を狙いました。少し憎かった。)
(ここでとっさに頭を狙いにいった人は、大勢を救うために一人を狙いにいっているという事になるので、大統領のやったことは、責められないのかなと思いました。)
カイラルアーティスト親子?あの2人は、ジャンク屋を勝手に死んだことにしてたり、傷付けない様に頑張って届けた砂時計を配達人の目の前で叩き割ったりで許せねぇよ!何ならジャンク屋も、ゴミ拾いとごみ捨てをさせやがってさらには「私達、復縁しました☺」みたいなどうでもいいメールまでよこしやがって許せない!(冗談です)
設定の作りこみが凄いなと思った
カイラル通信というインターネットの上位版の存在のおかげで
「BTという謎の現象が発生したのでもう世界が終わりです」っていうトンデモ設定が出てきても、もしかしたら変じゃないかもしれない…みたいな、行き過ぎてない絶妙なSFになっていて、
ミュールの設定も
「『配達依存症の症状が悪化して配達物を集めることが目的になってしまった山賊集団ミュール』ってなんだよwww」と思わせておいて、
「このゲームにハマっているということは、もうすでに配達依存症で、
段々とミュールから資源を巻き上げるのが楽しくなってきてるということは、
自分もミュールになってきてるってことじゃないか!」という、
実はそこまでおかしくないなとなる、そういうしっかり考えられてるなと思わされる部分が、流石だなと思いました。
ストーリーが良かった
しっかりと伏線を回収する海外ドラマを、1シーズンじっくり見たみたいなそんな満足感でした。
今回の壮大なストーリー、大体がスニーキングミッションに失敗したパパのせいっていう、
衝撃なオチでしたが、
これがもし上手くいっていたらサムは帰還者になっていないので生きてなかったかもしれないし、
ミッション失敗の原因である「ドアのロックが開いてなかった問題」は、
パパが別れに時間が掛かって泣きながら歩いていて、
予定の時間に間に合わなかったからっていう考察を他の人のコメントで見て、
なるほどと思わされました。
誰も悪くなかった。
ストーリーが良かった その2
世捨て人の接触恐怖症のサムが、育ての親の依頼を受けて、
子供の頃好きだった義理のお姉ちゃんを助けるためにいやいやアメリカを繋ぐ旅を始めたら、
何だかんだアメリカの色んな人達と仲良くなってしまって、
しかも
「今回の計画は私が考えた事だし、何なら今までのことはほとんど私がやってたの」
という衝撃のカミングアウトからの
ラストの「私と人類、どっちを選ぶの?」という選択で
人類を選ばないでどっちも選べないになるというのが、サムっぽくて良かったなと思いました。
プレイヤー目線だとあの答えにはならずに、「もう撃つしかないだろ」と思っちゃいそう(というか思った)だけど、今作は「サム体験アドベンチャー」なわけだから、あれが正解だよね、と。
というか、いつものパターンだと
「よく分からなかったと思うけど、詳細はログで読んでね。」みたいな形だったりするので、
このラストシーンで、長々と何故こんなことをしたのかという説明がちゃんと入ったのが良かった。
これがあったおかげで、情報を踏まえた上でちゃんと考えてサムに決めてほしい感が増してるようなところがあって、
彼女の人間味が出てたなと思いました。
(人類は早く奇跡の力で何でも解決してくれそうなサイコフレーム君を開発しよう)
あと、最後にヒロインのデッドマンとハグしてたのもかなり良かった。
心が無さそうだったあのデッドマンが、最終的に一番心豊かになってるのはやっぱずりぃっすよ。
ストーリーが良かった その3
「自分の子供をBBとか洒落た呼び方する親なんておるんか?」という疑問はひとまず置いておいて、
「パパ、本当にパパだったの!?」
というラストのオチ、やっぱりズルいよね。
しかも、アメリの時みたいに戦闘後に長々と説明しだすのではなく、
ラストの記憶のフラッシュバックでさり気なく知らせてくるというのが
相当にくい演出だなと思いました。
ストーリー以外の部分
マップがちょうど良いサイズ感で良かった
アメリカを繋ぐと言いつつ、現実のアメリカとはサイズ感も風景も違った大陸を横断します。(アイスランドっぽいという情報は見ました)
無駄に広いマップに拒否反応のある自分としては、デスストのマップはゲーム内容にあってて、実にちょうど良いサイズだな感じました。
マーカーの仕組みが良かった
航空写真のような全体マップでマーカーを設置して、AマーカーとBマーカーを繋ぐみたいにすると、フィールド画面でもマーカーと線が表示されて、線を引いた場所がわかるようになります。
自分で好きに道順を決められるのは結構珍しい気がして、良いシステムだなと思いました。
あんまりホラーではなくて良かった
ゲーム開発時のムービーを見ていた時の勝手な印象ですが、かなりホラーなゲームなのかなと思っていました。
実際は、怖いのはBTに対して対抗手段がない本当に序盤だけで、血液グレネードやポーラガンが登場してからは、ただのお邪魔キャラになります。
逆に言うと、対抗手段のない状態から始まって、ちゃんとBT怖い体験をさせてくれるゲームデザインをしていて、良いなと思いました。
荷造りが実は簡単だった
最初、情報が多すぎて、どういう風に荷造りをしたら良いのか等がわからなかったのですが、
荷物画面で、サムの周りのフィールドに物を置けるし拾えもする、という事を理解したときに
「荷造り簡単。よく出来てた!」と関心させられました。
速く運びたい等のこだわりがないのであれば、適当に背中に積んでから荷物の最適化で終わりです。
オンライン要素がちょうど良かった
別プレイヤーが操作したサムの建てた施設が、勝手に自分のマップに出てくるという、
ふんわりとしたオンラインをしています。
こういうゲームはこれくらいの繋がり方がちょうど良いなと個人的には思いました。
しかも「拠点にカイラル通信が繋がると、その周囲に他人の施設が出てくる」という仕組みなので、
初回の訪問時は自分の力で届け先に向かう必要があり、
未開の地に踏み込む楽しみがなくなったわけではないという点と、
中途半端に繋がるおかげで、
ぽつんと現れたどこにも繋がっていないジップラインと
自分のジップラインを繋げるという事も出来て、
上手く繋げられると「どこかのサムありがとー」と叫びたくなりました。
あと、自分だけで色々な施設を全域に建てようと思うと電力(施設の設置に必要なポイント)が全然足りないというのもかなり良かった。
かなりカツカツ。
カツカツとなると必然的に無駄な施設が建てられることが減るので、誰かが必要と思って建てた施設がインターネットを介して現れる様になり、
こっちからしてもありがたい可能性が高くて、ナイスなシステムだなと思いました。
いいねのシステムが良かった
助けて貰えた時はいいねを送りたくなるし、いいねを貰うと嬉しくなりました。
あとこれ、いいねをたくさんした人の方が、多くの人と繋がるようになって、
施設がリンクするという仕組みになっているみたいで、快適になる様になっているみたいです。
そういうのは置いておいても、単純に面白いなと思いました。
誰がどれだけのいいねをくれたかみたいなものも、しっかりと確認すれば見れるのかもしれませんが、
簡易的に表示されるものはなんかふわっとした表示だったので、そこもいいなと思いました。
ゲームデザインが良かった
「もしかして今これが欲しいんじゃない?」みたいなパワーアップの仕方を、終盤までずっとしていきます。
最後までパワーアップがワクワクでした。
しかもこのパワーアップが思った以上で、初回中断時に「こんな便利なものがあっていいのか?」と思ったあのパワースケルトンやフローターが
最終的に要らない子になるまで強くなるとは、全く予想出来ませんでした。
配達方法のアップデートのされ方が面白かった
ただ背中に積んで配達→バイクや車で配達→パワースケルトンの効果でサムの積載量がアップして徒歩で配達→フローターで大量配達→ジップラインでビュンビュン配達→結局はトラックで大量配達
という感じで、
色々と移り変わるっていう部分も面白いのですが、
最終的に「やっぱりトラック強くね?」に落ち着くっていうのが、配達するゲームとしてかなり面白いなと思いました。
銃が使いづらいのが良かった
このゲーム、2つの意味で銃が使いづらいです。
1つ目は、単純に構え方の問題。
覗き込んでの視点がなくて、肩越しの視点しかありません。
これだけですでに狙いをつけにくいのですが、
背中に物を背負っていると視界の邪魔になって正面が結構見えなくなります。
そもそも素人のサムがそんな簡単に狙いを付けられるはずもなく、
かと言って全然狙い通りに弾が飛ばないのはゲームとしてつまらないので、
良い塩梅だなと思いました。
2つ目は、キル問題。
死人を放置すると、ネクローシスが起こって大爆発するという設定があるので、
相手をキルしてしまうと、死体処理場まで運ばないといけないという、いわゆる責任を取る必要があります。
小島監督作品に共通してあるように感じる「意識改革計画」が、このゲームにもあるように感じて、
良いなと思いました。
※買いかぶりかもしれませんが「人を数さない方が難しいしかっこいいよな!」みたいな、「まだキルして喜んでるの?ノーキルの方が気持ち良くない?」みたいなものが、MGS2くらいからずっとある気がしています。
相手を倒したときにスローになるのが良かった
アサルトライフル等で相手を倒すと、スローモーションの演出が入ります。
やってやった感があって個人的には好みでした。
グレネードランチャーが強いのが良かった
素直に飛ばない武器の方が個人的には好きなので、睡眠弾で非殺傷も出来るグレラン、使い勝手が良くて楽しかったです。
うーんと思ったところ
これだけ良かった良かったの嵐だと「本当にそう思ってるのか?」と思われそうなので、いつも通りダメ出しもします。
ストーリー面
話が難しすぎる
これを言ったらもうおしまいだよと思わなくもないのですが、ストーリーがわりと難解です。
他の人の感想を見ていて「本当に同じゲームやった?」みたいなトンチンカンな疑問を出してる人をいくつか見たので、人を選ぶんじゃないかなと思いました。
(偉そうなことを書いてますが、自分も間違った解釈をしているんじゃないかと不安です)
まあ良くわからないならわかるまで何回でも遊べるじゃん?とは思いますが。
合ってるかわからない本筋の解説を一応すると
生まれた時から私(大統領)宛てに神から「世界を崩壊させないためには、もう人類は絶滅させた方が良いから、上手いことやってね」って指示が出ていました。
二十歳くらいの色々と病気がちだった頃に、ビーチ(みんながそれぞれ違う世界を持ってる、いわゆる固有結界)で遊んでいたら、アメリが生まれました。
人類を存続させようと色々頑張ったけどどうにもならなそうだし、今までの文明も絶滅することによって次の生命にバトンを繋げてきたみたいだしで、もう絶滅しても良いかなって最近思い始めました。
私は見届け人を任されてしまったので、人類が滅びるのを最後まで見ていないといけません。
もうどうせ滅びるならじわじわ絶滅を待つのも辛いし、ラストは派手に大爆発させちゃって良くない?
どうしたらいいか、私の力のせいで似たような境遇になってしまったサムに選択は任せます。
というストーリーだったかと自分は認識しています。
これに、
実はクリフォードが探していたのはBB(ブリッジベイビー)じゃなくてBBにならずに撃たれて死んだ自分のBB(ベイビー)だった!(しかもふんわりと真相がわかるのが本当にラスト)
というのが交わり、全てが終わった後に真相がわかるおかげで「ラストバトルのところだけやり直させてー」と思わされます。
まあ、個人的にはこれくらい難解な方が面白くて好きなのですが、
ライト層からするとうーんなポイントなのではないでしょうか。
ヒントが足りない
難易度ノーマルで遊んでいたのですが、ラストの選択だったり、最後の火葬場だったりでちょうど良いくらいのヒントがなかったです。
選択の方は、どうやら難易度イージーだとヒントという名の答えを教えてくれるみたいで、それはそれで簡単すぎるのでは?と思いました。
火葬場の方は、演出のせいでマップが開けなくなっていて、マーカーもいつもみたいにセット出来ないしで、あとはさよならだけなシーンなのに自分は迷いました。
何回も通らないからここ通った記憶なんてもう薄らいでるよっていう。
(見落としたのかもしれないけど)襲ってこないBTが不自然に浮いてるみたいな、
火葬場から煙がモクモク出てるみたいな、さりげなくな道案内が欲しかったなと思いました。
ストーリー以外
色々とテンポが悪い部分がある
リサイクル時に大統領の顔が毎回出て飛ばせなかったり、納品時や積込み時等で短いムービーが入ったり、
配達後のリザルト画面の表示が荷物毎に10項目くらいあるのに1項目ずつの表示だったり、
車の乗り降りにちょい長な演出が挟まったり、コンディションを最大にするためには毎回モンスターを3本以上飲む必要があったり等々、
微妙にテンポが悪いなという部分があります。
リサイクルだけ専用の項目を選ばないとできない
端末を操作して荷物画面を開いていても、プライベートルームにアイテムを送る等はできますが、リサイクルだけできません。
この操作だけ「リサイクルをする」という項目を選ばないと行えないので、テンポが悪く感じました。
部屋以外で音楽が流せない
MGS5:TPPで、戦場だろうと何だろうと気にせずカセットテープを聴けたのに、デスストでは施設から流す以外では多分聴けません。
大体何も起きないこのゲームの方が、よっぽど音楽が欲しいのに…
ミュージシャンが仲良くなるとラジオ配信をしてくる等の機能があっても良かったんじゃないかなと思いました。
まあ過去作でやってるのに思いつかないわけがないので、何かできなかった事情があるのかもしれませんが。
施設の故障が急すぎる
施設の耐久値が残り3分の1(33.33…%)になると、ゲージが黄色から赤になって機能しなくなります。
もうちょっとギリギリまで(20%くらいまで)耐えて欲しかったというのと、黄色だと危機感が足りないので、
赤になるタイミングと使えなくなるタイミングで、少し時期をずらして欲しかったなと思いました。
耐久値の減りが速くて、面倒をみないとすぐに壊れることに関しては、むしろ良かったポイント。
資源が満杯問題
どこで増えてるのか謎なのですが、気が付くと資源が溢れます。(特に樹脂)
もうちょっと上限が高かったり、使い道があっても良かったのではないかと感じました。
あんまり需要が多くなっても面倒なので、これくらいでも良かったかなとは思いますが。
まとめ
まだ書き足りない気がするのですが、長くなってしまったのでそろそろまとめると、
小島監督が仲の良い人を集めて、好きなものを作ってる感がかなりあって、
ムービーが長いと聞いていたのですが、正直気にならないくらいにストーリーに引き込まれる感じで、
良い作品でした。
遊べて大満足。
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